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  • 犬の病気

2026.07.06

犬の股関節脱臼

後ろ足を上げて痛がっている!

その症状、もしかしたら股関節の脱臼かもしれません。

股関節は、大腿骨の先端(大腿骨頭)が骨盤のくぼみ(寛骨臼)にはまりこんで形成されており、その接合が外れてしまうことを股関節脱臼と言います。

股関節脱臼を起こすと激しい痛みを伴い、罹患した足を上げ、3本足で歩くようになります。

犬の股関節脱臼は交通事故や落下などの外傷により起こることが多く、高齢の子では、股関節周囲の筋肉が衰えてしまうことで脱臼することもあります。その他に重度の股関節形成不全の結果で起こることもあり、その場合はレントゲンを撮影したときに偶然見つかることもあります。

脱臼のタイプは位置によりさまざまですが、最も多いのは頭背側脱臼と言われ、全体の8割を占めます。尾背側や腹側脱臼はまれです。

当院の症例 頭背側股関節脱臼

頭背側股関節脱臼

当院の症例
尾腹側股関節脱臼

尾腹側股関節脱臼

 

 

 

 

 

 

整復時

整復時

 

 

 

 

 

 

股関節脱臼の診断

脱臼の診断には必ずレントゲン検査を行い、単純な股関節脱臼のみなのか、大腿骨頭の骨折や骨盤骨折、大腿骨頭壊死症(レッグ・カルベ・ペルテス病)などの併発している病気がないかを除外診断します。ほかの病気を併発している場合は、脱臼を整復しても安定せずうまくいかないことが多いです。

股関節脱臼の治療

治療法には大きく分けて非観血的整復術(手術を行わず、用手にて整復する方法)と観血的整復術(手術を行い整復して固定する方法)があります。

複雑化していない単純な脱臼は、損傷が起きた4~5日後以内であれば、非観血的整復術で治療できます。用手にて整復するとしても、かなりの痛みを伴いますので、基本は全身麻酔下で整復しなければなりません。うまく整復できたとしても、半数の症例で再脱臼すると言われていますので、再脱臼するようであれば観血的整復術(外科手術)に切り替える必要があります。

観血的整復術では、大腿骨頭靭帯再建術(トグルピン法)や関節包再建術、大腿骨頭切除術などを行います。前者2つの手術では再発率は10~20%と言われており、再発した場合は後者の大腿骨頭切除術を行います。

 

受傷後の経過や整復したときの関節の不安定性、再発率などにより選択する治療が変わりますので、獣医師とよく相談し、飼い主様とその子に最も適した治療を行っていきましょう。

 

後ろ足の症状でお困りの方は愛知県名古屋市近郊の「なぐら動物病院」までお問い合わせください。

 

 

獣医師 安部昌平