小動物の診療・予防

小動物の診療・予防

小動物の診療

なぐら動物病院では、うさぎやハムスター、フェレット、モルモットなどの小動物を診療しています。うさぎやハムスター、フェレット、モルモットなどの小動物は、病気を隠す性質があり、気付いた時には重症化していることが多い傾向にあるため、軽い症状でも早めにご相談ください。
手術を行う必要がある場合は、ペットの年齢や生活環境などに応じ、最新の医療機器と技術力で身体に負担のないよう適切な処置を行います。

うさぎの診療

消化器疾患

うさぎに多く見られる病気として、消化管の運動が停滞する消化管鬱滞が挙げられます。ストレスや不適切な食事、歯科疾患が原因で、グルーミングなどで飲み込んだ毛が塊となって詰まってしまったり、腸内細菌のバランスが乱れて鼓腸症になる場合があります。基本的には消化管の運動を回復するための内科治療を行いますが、消化管閉塞を起こしている場合は外科手術が必要となります。

  • 食欲がなくなった
  • 便が小さくなった
  • 全く排便しなくなった
子宮疾患

高齢のうさぎは、腺癌や水腫、蓄膿症などの子宮疾患を発症することが多い傾向にあります。治療は子宮卵巣を摘出する外科手術を行いますが、すでに病気が進行し、貧血や重度の敗血症などを起こしている場合はとてもリスクの高い手術となります。若いうちに避妊手術をしておくことが、一番の病気の予防となります。

  • 血尿がある
  • 乳腺が腫れて乳汁が出る
  • お腹が張っている
不正咬合

げっ歯類のうさぎは、噛み合わせが悪くなると歯が長く伸び続け、うまく食事が食べられなかったり、尖った歯が頬や舌を傷つけてしまうことがあります。切歯の歯切りは無麻酔で行うことができますが、口腔内をしっかり観察する必要がある臼歯の歯切りや暴れる場合は、無理に抑え込むと危険なため、鎮静下で歯切りを行います。

  • 食べ方が普段と違う
  • 口周りが汚れるようになった
  • よだれが出る
皮膚疾患

うさぎやフェレットなどの小動物は、ノミ・ダニが寄生し皮膚疾患を発症することがあります。ノミ・ダニに寄生されると、皮膚疾患の原因となるだけでなく、痒みによるストレスで食欲がなくなったり、体調不良の原因となります。また、真菌や細菌感染などによる皮膚疾患も見られることがあります。皮膚の検査を行い、薬の投薬で治療します。

  • 皮膚に出来物や赤みがある
  • 身体をよく掻いている
  • フケが出る
  • 普段より抜け毛が多い

ハムスターの診療

腫瘍

ハムスターは、高齢になると身体に腫瘍ができてしまうことが多く、良性・悪性のいずれの場合も、腫瘍が極端に大きくなる前に治療を行うことが大切です。若くて元気な場合は、手術で腫瘍を切除することができますが、高齢の場合や状態が悪い場合は、麻酔や手術のリスクが高いため、内科的な治療を選択せざるをえない場合が多いです。気になる箇所がある場合は早めに受診ください。

  • 身体にしこりがある
  • 食欲が落ちた
  • お腹が大きくなった
頬袋脱

ハムスターは、頬袋が裏返しになって口外に出てしまうことがあります。頬袋が腫れていたり、傷ついていなければ、口腔内に戻して再脱出しないように縫合して治療を行いますが、癖になって再脱出してしまうことが多く、最終的には切除しなければならない場合が多いです。

  • 頬袋が外に出ている
  • 頬袋を気にしている
  • 頬袋に頻繁に出し入れしている
脱腸

ハムスターは、慢性的な下痢・便秘などで腸が体外に出てしまうことがあります。腸の状態が良好な場合は、体内に戻して肛門の縫合を行いますが、すでに壊死している場合は切除しなければなりません。元気がなく状態が悪いと手遅れの場合もあるため、脱腸に気付いたときや下痢・便秘が見られたら早めに受診することが大切です。

  • 腸が体外に出ている
  • 下痢がある
  • 便秘がある
不正咬合

げっ歯類のハムスターは、噛み合わせが悪くなると歯が伸び続け、長く伸びすぎるとうまく食事が取れなかったり、頬や舌を傷つけてしまうことがあります。気が付くのが遅くなると口の中が化膿し、状態が悪く手遅れになってしまうこともありますので、様子がおかしい時は早めに受診しましょう。切歯の歯切りは無麻酔で行います。

  • 食べ方が普段と違う
  • 口周りが汚れるようになった
  • よだれが出る

その他

うさぎやハムスターの他にも、フェレットやモルモットなどの診療を行っています。食欲不振や脱毛、咳、軟便・下痢、血尿などの症状が見られた場合は、病気の可能性があるため、ご相談ください。

小動物の病気

うさぎの避妊・去勢

うさぎは、高齢になると生殖器の病気を発症する可能性が高い傾向にあります。避妊・去勢することで、生殖器系の病気の予防や発情によるストレスを予防することができるため、繁殖の予定がない場合は、避妊・去勢することをおすすめします。繁殖を予定している場合も、繁殖の引退後はなるべく早く手術することをおすすめします。
なぐら動物病院は、血管シーリングシステムを使用し、縫合糸を腹腔内に残さない手術を心がけています。縫合糸反応性肉芽腫の発生リスクを軽減でき、より安心して手術を受けることができます。

避妊のメリット 避妊のデメリット
女の子
  • 子宮や卵巣の病気の予防
  • 乳腺腫瘍の発症の抑制
  • 代謝が悪くなる
  • 食欲が増して太りやすくなる
  • 子孫が残せない
男の子
  • 睾丸腫瘍の予防
  • マーキング行為や尿臭の軽減
  • 発情によるストレスが軽減
  • 代謝が悪くなる
  • 食欲が増して太りやすくなる
  • 子孫が残せない

手術時期

手術の適正時期は、生後6〜12ヶ月頃に行うことをおすすめしています。成長のスピードは個体差があるため、お早めにご相談ください。

手術当日の流れ

ご予約

事前に全身の状態を確認するため、事前診察をお願いします。高齢の場合や持病持ちの場合は、事前の精密検査が必要な場合があります。事前診察後に手術のご予約をお取りします。

手術前

手術当日の午前中にペットをお連れください。午前中に体調の確認と血液検査を行い、異常がなければ手術を開始します。

手術中

静脈点滴・気道確保・人工呼吸器の設置・麻酔モニターにより、麻酔濃度や酸素飽和度、心電図等を確認しながら、手術を行います。電気メスや血管シーリングシステムを使用し、出血が少なく、短時間で手術を行うことができます。
女の子は、基本的に抜糸の必要がない吸収糸を使用して手術を行います。吸収糸を使用することで、糸が体外に出ることがなく、ペットが傷口を気にしにくくなります。

手術後

手術後は、麻酔の覚醒状態をしっかり観察して問題がないことを確認し、痛み止めを投与してペットを安静な状態でお預かりします。
基本的には、夕方6時以降にお迎えいただきますが、ご自宅に同居ペットがいる場合や、術後の管理が不安な場合は、1泊していただくことが可能です。

フェレットの
ワクチン・
フィラリア予防

フェレットのワクチン ワクチン

フェレットは、致死率が高いジステンパーに感染する可能性があります。犬ジステンパーウイルスのワクチンを摂取することで予防することができ、生後2ヶ月後に1回目、生後3ヶ月目に2回目を接種し、その後は1年ごとに接種します。

ワクチン接種の注意点

ワクチン接種により稀にアレルギー反応を起こす場合があります。顔や注射部位が腫れたり、嘔吐や発熱がある場合は、すぐにご連絡ください。アレルギー反応は、接種後30分〜半日以内の発生率が高いため、ワクチン接種は午前中のご予約をおすすめします。特に初めてのワクチン接種や2回目接種の場合は、早めの時間にご予約ください。

フェレットのフィラリア予防 フィラリア予防

フィラリアは白いそうめん状の寄生虫で、フィラリア幼虫を持つ蚊に吸血されると感染します。フィラリアに感染すると皮下や筋肉中で成長して血管から心臓などに寄生し、心臓が小さいフェレットは1匹のフィフラリアが寄生するだけでも突然死してしまう場合があります。
蚊に刺されないよう対策することは不可能なため、感染して間もないフィフラリア幼虫を駆除する薬を蚊が発生するシーズンに投与して予防します。経口タイプや皮膚に薬液を垂らすタイプなど様々な種類の予防薬があるため、ペットに応じて提案します。