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お知らせ・コラム
エキゾチックアニマルの手術(チンチラ、ハリネズミの子宮疾患)
当院では、チンチラやハリネズミをはじめとするエキゾチックアニマルの診療や手術も行っております。
今回は、当院で最近ご来院され、子宮摘出手術を行い、無事に完治したチンチラちゃんとハリネズミちゃんの2つの症例をご紹介します。
意外と多いエキゾチックアニマルの子宮疾患
雌のエキゾチックアニマル(特にウサギ、チンチラ、ハリネズミ、ハムスターなど)は、年齢とともに子宮や卵巣の病気を発症しやすいことが知られています。ウサギはこのことが知られており、病気の予防のため、若いうちに避妊手術する方が増えましたが、チンチラやハリネズミなど、500g前後の小さなエキゾチックアニマルは手術のリスクも高いため、予防のために手術を行うことは少ないと思います。
症例1:チンチラの子宮内膜炎
「白いおりもの」に気がついたら注意!
【ご来院のきっかけ】
来院の約1週間前から「外陰部から白いおりものが出ている」との主訴でご来院されました。
【検査と経過】
腹部の超音波検査を行ったところ、子宮の中に液体が溜まっている様子が確認されました。子宮の病気が疑われたため手術(卵巣子宮摘出術)をご提案し、お薬で経過を見つつ飼い主様とじっくりご相談を重ねたのち、手術を実施することとなりました。
【手術と経過】
子宮は太く腫れておりましたが、他の臓器に癒着していることはなく、卵巣と子宮を全摘出いたしました。摘出した子宮の様子から「子宮内膜炎」であることがわかりました。
手術後の回復は順調で、現在はすっかり元通りの元気な姿を取り戻して完治されています。

チンチラの子宮内膜炎

術後のチンチラさん
症例2:ハリネズミの子宮腫瘍
「時々出る血尿」は子宮からのサインかも?
【ご来院のきっかけ】
数ヶ月前から「おしっこをする際、時々血が混ざることがあり、ここ最近、毎日出血している」との症状でご来院されました。
【検査と経過】
腹部超音波検査を実施したところ、子宮内に腫瘍と思われる病変が確認されました。
出血が毎日あることから早期の手術が必要な状況と思われ、飼い主様も手術を希望されたため、すぐに卵巣子宮摘出手術を行うこととなりました。
【手術と経過】
子宮はかなり腫れており、片側の子宮内に血液が充満している様子が伺えました。幸い腹腔内側に浸潤しておらず、無事に子宮と卵巣を摘出できました。摘出した子宮は病理組織検査の結果、「良性腫瘍」であることが判明し、手術により無事に完治することができました。

ハリネズミの子宮腫瘍

手術終了時のハリネズミさん
獣医師からのアドバイス
チンチラやハリネズミなどのエキゾチックアニマルは、不調を隠す習性があります。そのため、症状に気づいた時には病気が進行していることも少なくありません。
特に女の子は以下のような症状が見られた場合は、子宮や卵巣の病気の可能性があります。
・外陰部からの分泌物(おりもの・膿など)
・おしっこに血が混ざる・時々赤っぽいおしっこが出る
・食欲が落ちている、元気がない、お腹が張っている
「血尿かな?」と思っても、実はおしっこではなく子宮からの出血だったというケースは非常に多く見られます。
子宮の病気は、発見が遅れると命に関わる重症(子宮蓄膿症や悪性腫瘍など)になることもありますが、早期に発見して適切な治療(手術など)を行えば、今回のように元気に完治を目指すことができます。もちろん、小さなエキゾチックアニマルでは、麻酔や手術のリスクが非常に高くなりますので、手術は可能なのか、すでに手遅れなのか、また手術がその子にとって最善なのかなどを、十分に検討する必要があります。
少しでも成功に繋げるため、「いつもと少し様子が違うかも」「何か出ている気がする」と感じたら、様子を見ずにできるだけ早く、ご相談ください。
なぐら動物病院 獣医師 名倉美智子