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お知らせ・コラム
犬・猫が異物を食べてしまったら/誤飲誤食の危険性
愛犬・愛猫が目を離したすきに誤飲してしまった、帰宅したら食べた後のパッケージだけが残っていた……などのSOSのお電話は時期、時間を問わずかかってきます。食べてはいけないものや飲み込んでしまうサイズの物はペットの届かないところに片付けておくのが基本ですが、万一誤飲してしまったときにどうしたらよいか、まずどんなものが愛犬・愛猫にとって危険なのかを知っておきましょう。
【目次】
犬、猫で誤飲してしまう子は、どんな子に多いの?
どんな子でも誤飲誤食する可能性はありますが、犬・猫ともに若い子が多く、好奇心旺盛な性格の子は繰り返し誤飲することもあるので特に注意が必要です。
ペットが誤飲誤食するとどうなるの?
主に以下のような初期症状が見られます。
- 嘔吐
- 下痢
- 食欲不振
- 元気消失
- 異物が喉に詰まることによる呼吸困難
まれに誤飲誤食に気が付かず上記のような症状で来院され、検査した結果誤飲だったというケースもあります。誤飲誤食したことが分かっている場合は症状が出ていなくても受診しましょう。
犬・猫にとって中毒性のあるもの、先のとがった鋭利なもの、人用の薬や電池などは特に危険です。中毒性のあるものを食べてしまうと少量でも重篤な状況に陥ることがあり、死に至る可能性もあります。また、布製品やプラスチック製品なども大きさによっては喉や腸に詰まり、手術が必要になる場合もあります。
犬にとって中毒性のあるものの例
チョコレート、ココアなどカカオが原材料の製品
摂取から2~4時間ほどで症状が出始めます。特に高カカオのチョコレートなどは少量でも中毒症状を引き起こします。摂取量が多いと不整脈、痙攣などの重度な症状が見らます。

タマネギ、ネギ、ニンニク、ニラなどのネギ類
一度に多量に摂取したり、少量のネギ類を何日も摂取し続けると中毒を発症します。数日たってから症状が出ることもあり、重度の場合は貧血、脱力、頻脈、頻呼吸、黄疸、溶血による血尿などの症状が見られます。

キシリトール
ガムのみでなく、シュガーレスの飲料やお菓子にも使用されています。30~60分ほどで低血糖による嘔吐、虚脱、意識障害、痙攣発作などの症状が現れ、数日以内に肝機能障害、血液凝固異常などを引き起こします。
ブドウ、マスカットなど
レーズンを使用したお菓子やワインにも注意が必要です。摂取後8~24時間で症状が現れます。腎障害による多飲多尿や尿の減少、重篤化すると意識レベルの低下や痙攣発作などの神経症状が見られます。

アルコール
犬はアルコールを分解できません。胃や腸で急速に吸収され最終的に脳に影響を及ぼします。ひと舐めでも中毒症状(上記のような初期症状やふらつき、意識レベルの低下など)が出る可能性があり、お酒のみでなく消毒用のスプレーやウェットティッシュも舐めてしまわないよう管理することが重要です。
カフェイン
コーヒー、紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインを摂取すると、興奮、心拍数の増加、嘔吐、下痢などの症状が現れ、痙攣や発作を誘発する場合があります。

観葉植物や球根植物
植物の種類によっては有毒なものがあります。ペットにとって有毒な植物は家に置かないことがベストですが、散歩中に出会う植物にも注意が必要です。例:ポトス、アイビー、ドラセナ、ポインセチア、チューリップ、ユリ、クリスマスローズ、スイセン、アサガオ、アジサイなど

猫にとって中毒性のあるものの例
ユリやユリ科の植物(チューリップ、ヒヤシンスなど)
猫にとっては花びら、葉、茎、球根、根、花粉などあらゆる部分が有毒で、少量の摂取でも危険です。毒素が水様性のため花瓶の水を飲んでしまった場合でも中毒症状が現れる恐れがあります。摂取から時間が経つにつれ、腎障害による尿の異常(多尿、尿量の減少、尿が出なくなるなど)や不整脈などの症状が現れ、心肺停止に至る場合があります。

猫も犬と同様カカオ原材料の製品、ネギ類、キシリトール、ブドウ類、アルコール、カフェイン、植物などの摂取により中毒症状を引き起こします。
犬・猫が誤飲誤食したときはどうしたらいい?
誤飲誤食が判明したらなるべく早く動物病院を受診しましょう。まずは電話で、何を、いつ、どれくらいの量食べたのかをお伝えください。初診の子の場合は、犬種・猫種、年齢、体重も合わせてお伝えください。来院時は食べたものやパッケージをご持参いただくとスムーズに診察を行うことができます。
誤飲したものや量、サイズにもよりますが、誤飲から時間が経っておらず(1~2時間以内)異物が胃にある段階であれば催吐処置を行い、異物を吐かせます。催吐処置は注射で薬を投与して吐かせることが一般的ですが、2025年12月に点眼で吐かせる新薬が発売され、当院でも導入しております。(適応は犬のみです。)
異物誤飲で吐かせることができないもの(鋭利なものなど)の場合は全身麻酔下で内視鏡を行い回収を試みます。すでに、胃から出て腸に進んでしまい閉塞を起こしてしまっている場合には、腸切開手術となります。
実際に来院された誤飲の例
散歩中にたばこの吸い殻、チューリップの葉っぱ、眼鏡1つ丸ごと、眼鏡拭き、ホッカイロ、文房具(ボールペン、付箋1束、クリップ、消しゴムなど)、ヘアゴム、アルコールウェットティッシュ、ポケットティッシュパッケージごと、固形殺虫剤、洋服のボタンやタグ、裁縫針、靴下、手袋、ペットシーツ、プラスチック製品の欠片、ハンバーガー1個とポテト、ドーナツ、チョコレート、ブドウ、ネギを使った料理、揚げ物をした後の油、キシリトールガム、洗濯ばさみ、ボタン電池など……
ペットの誤飲誤食の対策
- 誤飲するサイズのものは引き出しや棚に収納しておきましょう。高い位置においてあるから大丈夫と思っていても何かの拍子で落ちる可能性もあります。人にしか開けられない場所に保管しておきましょう。
- ゴミ箱を漁って誤食というケースも少なくありません。ペットに開けられないような蓋つきのゴミ箱を選ぶと安心です。
- キッチンは犬・猫にとって有害な食べ物がたくさん。キッチンに立ち入れないようにするのが最も安全ではありますが、難しい場合は調理で使用した具材や器具を放置しないことを徹底しましょう。ご家族の食事中や食事後のダイニングテーブルも誤食のリスクが高いので注意が必要です。
大切な家族の為に
「これは食べないでしょう」と思うものでも誤飲する可能性があります。小さなお子さんのいるご家庭では思いがけないことが起きてしまうこともありますので、ケージやサークルなどを活用し、念には念を入れて対策しましょう。
また、起きてしまった時は速やかに病院に連絡するようにしましょう。
夜間など病院が閉まっている時間帯に気が付いた際は、夜間救急(名古屋夜間動物救急センターなど)を受診されるようお願いいたします。
異物を摂取してしまった犬、猫の内視鏡は、愛知県東郷町のなぐら動物病院まで、お問い合わせください。
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