お知らせ・コラム

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2023.10.23

新しい麻酔器の導入(より安心な動物への麻酔)

この度、手術室に新しい麻酔器を導入いたしました。

導入した麻酔器はドレーゲル社のDrager Fabius Plus。ドレーゲルは人の医療現場において、大学病院の手術室などでも使用されている高性能麻酔器の代表的なメーカーの一つです。

ドレーゲルの麻酔器の特徴(より安心な動物への麻酔)

・優れた人工呼吸管理ができる

人工呼吸器の性能が格段に違います。一番の特徴は患者の肺の大きさや硬さ(内圧)を自動で判断し、その子に合わせて人工呼吸のサポートを行ってくれます。猫や小型犬と30キロ以上ある大型犬では肺の大きさが全く違います。また同じ小型犬でも年齢や疾患の状態によって肺の硬さも様々です。そういう違いを麻酔器が判断し、適切な麻酔や呼吸管理を行えるようになり、より安全安心な麻酔が行えるようになりました。

・無気肺の予防ができる

人工呼吸管理下での麻酔時の際に、肺が無気肺にならないよう自然な呼吸時と同じように肺に少量の空気を残す調節機能「PEEP(呼気終末陽圧)機能」が備わっています。これによりスマートな自発呼吸の回復が行えるようになります。

・自発呼吸のアシスト機能

麻酔中の自発呼吸(機械に頼らず自分で行う呼吸)はとても重要で、人工呼吸器での強制的な換気は心臓での拍出量の低下など悪影響が出る場合があります。今回導入した麻酔器は自発呼吸での麻酔管理を行う際に、不足した圧や回数などを自動にサポートしてくれるサポート機能が備わっています。

小型動物や高齢動物に、安心安全な麻酔下での手術

近年は小型犬や猫の増加、動物の高齢化に伴い、小型動物や麻酔リスクの高い動物への麻酔が多くなりました。当院ではこの麻酔器の導入により、今まで以上に、より安心安全な環境で手術が行えるようになりました。

 

愛知県東郷町 なぐら動物病院