お知らせ・コラム

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猫の病気

2025.08.11

猫の喘息

猫の喘息について

若齢~中年齢の猫に多く認められ、シャム系の猫に好発すると言われていますが、すべての品種において発症する可能性があります。猫喘息の詳細の病態は未だに不明ですが、何らかの原因に対し炎症が生じ、それが慢性化することで、気道粘膜の浮腫、平滑筋の収縮・過敏症を伴い気道が閉塞します。二次感染が悪化し、これが気管支肺炎まで進行することがあります。

原因としては様々なアレルゲンだけでなく、細菌、ウイルス、マイコプラズマ、寄生虫などの感染も原因及び憎悪因子と考えられています。

猫の喘息の症状

長期にわたる咳、呼吸が苦しそう、吸気時にゼーゼーする、運動したがらないなどの症状が出ます。重度に進行した場合は、チアノーゼ、口を開けて呼吸するようになります。

猫の喘息の診断

血液検査、胸部レントゲンや超音波検査を行い、ほかに咳を引き起こすような心臓病や肺の腫瘍などの病気がないか除外し、総合的に判断します。

 

ステロイド治療により改善した症例(右は治療後1カ月)

犬と猫の喘息の治療

慢性の病気であるため、治療目標は根治ではなく、症状のコントロールとなります。急性期には、抗炎症を目的としたストロイド薬、気管支拡張薬、必要に応じて二次感染に対する抗菌薬を用いた治療により症状を落ち着かせます。慢性期には、原因と思われる物質を除去するための環境整備も必要です。ステロイド薬の長期投与による喘息のコントロールを行うことも多く、その場合は副作用の注意も必要になりますので、長期間使用する際は、ステロイドの吸入療法を用いることもあります。

猫用の吸入器(専用の吸入剤を処方します)

 

犬と猫の長く続く咳にお困りの方は 愛知県東郷町 なぐら動物病院 までご相談ください

 

獣医師 安部昌平