犬の病気
2025.07.31
犬のレプトスピラ症
レプトスピラ症とは
レプトスピラ症はげっ歯類などが保菌するレプトスピラ属細菌による人獣共通感染症です。国内では沖縄や鹿児島を中心に発生していますが、近年では北海道でも感染の報告がありました。愛知県内では昨年末に豊田市、瀬戸市、名古屋市名東区でも発生しています。当院の周辺ですと、牧野ヶ池緑地で発生しています。都内の公園でも発生しているとの報告があり、注意が必要な状況です。
レプトスピラ症の感染経路
レプトスピラ属細菌を保有するげっ歯類(ネズミなど)、ウマ、ウシ、イヌ、ブタ等の尿で汚染された土壌や水に接触することで感染します。皮膚の傷や粘膜から体内に侵入する経皮的感染と、レプトスピラに汚染された作物を摂取することによる経口感染があります。
犬から犬、犬から人への感染の可能性もある為、愛犬が感染した場合飼い主はもちろん同居の犬への感染対策も必要です。
レプトスピラ症の症状
レプトスピラ症に感染すると以下のような症状が見られます。
- 発熱
- 食欲不振
- 下痢・嘔吐
- 黄疸
- 鼻血、血便などの出血傾向
重度の場合、溶血性の症状が出て最終的に多臓器不全になり死に至ります。中度の場合でも症状が進行すると肝不全や腎不全を引き起こし、生涯治療が必要になる可能性があります。また、重症でなくても進行が速いタイプを発症すると突然死するケースもあります。
レプトスピラ症の予防
外出するときは、ネズミが生息していそうな草むらや川辺、雨の後の水たまりなどの水辺に近づかないようにしましょう。
レプトスピラ症はワクチンで予防ができます。6種混合ワクチンには含まれていないため、レプトスピラ症を予防するには8種または10種混合ワクチンの接種、もしくはレプトスピラ4種混合ワクチンの追加接種が必要です。抗体をあげるため、初めてレプトスピラ予防の入ったワクチンを接種する場合は2回接種が有効です。近郊の公園などでも注意が必要になってきているため散歩に行く子の場合は、8種・10種混合ワクチンの接種をおすすめします。
完全室内飼育の子や少ししか外に出ない子は不要の場合もあります。ワクチンの種類でお悩みの方はお気軽になぐら動物病院にご相談ください。
万一愛犬が感染してしまった場合は飼い主に感染することを防ぐために、尿や体液には直接触れずゴム手袋を着用ししっかり消毒することが大切です。また、同居の犬がいる場合は過ごす部屋を分けるなど、隔離することが有効です。
レプトスピラワクチンの割引
感染が拡大しているレプトスピラの感染予防促進として、当院ではワクチンの割引を行っております。レプトスピラの抗体を十分にあげるため、初年度は2回接種となります。
- 当院で6種混合ワクチンを10か月以内に接種している子のレプトスピラワクチン接種
1回目のレプトスピラ4種混合ワクチン 500円引き
2回目のレプトスピラ4種混合ワクチン 1000円引き(1回目から6週未満の場合)
- 今回初めて8種または10種混合ワクチンを接種した子の追加レプトスピラワクチン接種
レプトスピラ4種混合ワクチンの追加接種 500円引き
※割引は予告なく終了する場合があります。予めご了承ください。